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【Whoscall 10周年記念】創業当時からのメンバーによる開発秘話を初公開。立ち上げからの10年をぜんぶ見せます!

ニュース
2022-03-15 | Whoscall

目次


スマホの中で知らない相手からの電話を識別してくれる「Whoscall」が、今年で10周年を迎えました!(おめでとう〜〜!)

今から10年前、Googleの元CEOであるエリック・シュミット氏が大きく取り上げてくれたことをきっかけに、世界中の人々に知られるようになった台湾発のWhoscall。今や台湾だけにとどまらず、世界30ヶ国に展開し、アプリのダウンロード数は1億を突破! 世界中のユーザーが利用するサービスに成長しています。

私たちがこの10年間で目指していたのは、”いかに価値のあるサービスを提供し、人と人とが信頼しあえる社会環境を実現するか?” ということ。そのビジョンに向かって、私たちは常に進化し続け、現在も革新的な機能を開発し続けています。

かつて Whoscall は、知らない相手からの電話を識別するためだけのツールでした。しかし創業から10年が経った今、Whoscall は、ユーザーのコミュニケーション環境を保護するためのツールに進化しています。

一方で、この10年間、チームにはどのような変化があったのでしょうか?

本記事では、創業当時から長年にわたって Whoscall の開発に携わってきた Gogolookers(Gogolook社ではスタッフたちをこう呼びます)を招き、胸が熱くなる、そして涙なしには語れない秘蔵のエピソードの数々を振り返っていきます。


「Whoscall」を運営する Gogolook 誕生秘話

「Whoscall」を運営するGogolook社の共同創業者である Jeff、Jackie、Reiny の3人が出会ったのは台湾清華大学のキャンパス。学生時代から一緒にテクノロジー起業のコースを受講し、さまざまな起業家コンテストに参加していました。メンバーたちは当時のことを、”いつも本気で遊んでいた” と振り返ります。

熱意溢れる仲間たちと夜遅くまでプログラムをデザインしたり、プレゼンの練習をしたり、寮にこもって試作デバイスをテストすることもしばしば。ついには、当時の台湾で最大規模の大学生ビジネスコンテスト、ATCCで1位を受賞することとなりました。

Gogolook社の企業精神には「全力で最後まで取り組む」という理念が掲げられています。革新的なテーマに果敢に挑み、信頼と共に歩み続けてこれたのは、当時の3人の間にあった強い絆と信頼関係によるものなのかもしれません。

起業コンテストに共に参加した仲間たち


学生寮でプレゼンの練習をするCEOのJeff




シリコンバレーの始まりは、ガレージから。Gogolookの始まりは、屋根裏から!?


今では100人以上ものスタッフを抱える台湾を代表するスタートアップ企業ですが、創業時の初代オフィスは、台北市古亭の古いビルの一角にある狭い屋根裏でした。

物件の前オーナーが部屋を鏡で埋め尽くしていて、窓は一つしかなく、なんだか不気味な雰囲気だった初代オフィス。オフィスとは名ばかりで、仲間で集まって話し合いをするための共同スペースと呼んだ方がしっくり来るかもしれません。

当時のスタンドアップミーティングの様子

狭いオフィスに毎日集まり奮闘していた当時のメンバーたち

当時唯一の「会議室」では、台湾の飲食店でよく見られるあのテーブルが使われていた




そんな中、2013年に Whoscall への出資を決めた韓国Naver(LINEの親会社)の代表で、Gogolook の元会長でもある 朴鍾晚(Jongmahn Park)氏は、このオフィスをひと目見て絶賛しました。

”素晴らしいオフィスだ! スタートアップにはまさにガレージ精神が必要だ!”

Naverの出資を受ける前に、当時のオフィスで床に座りながら展望を語るCEOのJeff(写真右)と、

Gogolookの元会長である朴鍾晚氏(同左)



そう。オフィスは小さくても、中で働く Gogolookers は広大な世界を視野に入れていました。

世界をより良い環境にしようという強い意志により、3人の創業者と Gogolookersは、いくつものチャンスに助けられながら一歩ずつ歩み出すことに成功したのです。


10年で変化したオフィスを比較してみると…

10人から100人の組織へ。初期メンバーが振り返る、一番大きく変化したこと


止まることのない進化と、初志貫徹の精神を大切にしてきたGogolookersの初期メンバーたち。果たして彼らは、この10年間、会社でなにを目撃してきたのでしょうか?

長年働く Gogolookers の中で一致したのは、「組織体系と制度の変化」という意見。2013年にNaverの出資を受けて以来、Gogolookは2倍、3倍と急速に規模を拡大させてきました。

しかしスタートアップ企業が中堅企業へと成長していく過程には課題がつきもの。Gogolook は他の多くの企業たちと同じように、順調に発展を遂げることができたのでしょうか?

” 企業は製品の成長とともに成長するということを学びました ”

そう語るのは、入社10年目のSam。創業当時にインターンとして採用されたSamは、現在はGogolookグループの金融技術プラットフォーム「ROO(ルー)」のバックエンドエンジニアとして活躍しています。大小さまざまな規模の人事異動や組織改革、新制度の導入などに携わり、会社の成長を見守ってきたベテランスタッフです。

Naverから出資を受けることで組織は急拡大しましたが、それまで「暗黙の了解」で動いていた小さな精鋭チームは運営管理上の問題に直面することになりました。そうした中で、チーム運営手法から着手し、”スタッフ一人一人がチームにとって重要である” という認識が持てるようインパクト評価の指標を設定。さらに新規プロジェクトの着手に関する開発戦略原則やガイドラインを策定することで、徐々に会社を軌道に乗せることができるようになったと振り返ります。

”スタートアップ企業の急成長が与える影響について、ビジネス書に書かれているように簡単ではないことは、実際に経験するまで分かりませんでした。これが正解だといえる経営方法は、絶えずつまずき、常にもがき続けることで見出すことができるものだと考えています”


韓国籍COOのManwoo(写真右から2人目)がGogolookに加入。鏡を使って撮った集合写真


台湾名物「タピオカミルクティー」と当時共に携わった韓国チーム



” Gogolook は、スタッフの考えに喜んで耳を傾け、変化を恐れない企業です ”

コア技術バックエンド開発チームのリーダーを務めるKaiも、7年以上前に入社した当時の職場の雰囲気をこう振り返ります。

”初期のGogolookは、大学のサークル活動に似たような雰囲気がありました。みんなで楽しく仕事に励み、熱く燃えていましたが、目標も組織の仕組みも今ほど明確ではなく、時間の経過とともに熱が冷めてしまうリスクもあったと思います”

10人から100人以上の組織へと拡大し、会社は規模の変化に対応する必要がありました。製品や技術の最適化に努めるだけでなく、ビジネスモデルの転換や、スタッフとプロジェクトの有効性評価等組織の仕組み、さらに経営戦略をも、見直す必要がありました。

もちろんこれは組織の成長にとって必要な痛みであり、それを受け入れ適応することで、会社を一歩ずつ良い方向に前進させることができました。


当初は仕様書も手書きだった


初期のWhoscall表示画面。現在のものとは全く違う


創業時のGogolook社のシンボルは「キリン」。10年後の今も初心忘るべからず

Gogolook がスタートした初期のシンボルは「キリン」。

なぜ IT企業がキリン? と不思議に思われるかもしれませんが、キリンは創業者3人の起業家精神とGogolookの志そのもの。

寝るときも座ったままの姿勢で、一日にたった30分ほどしか眠らない野生のキリンの姿は、昼も夜も、新規事業開発に励んでいる創業メンバーの姿を思い起こさせます。 またGogolook がこれからも ”常にキリンのように高い位置から遠くを見ることができるように” ということを、3人の創業メンバーは強く望んでいたのです。


CEOのJeffと彼の制作したロゴ


当時のサービスシンボルであった「キリン」

現在、事業開発部門責任者を務めるAaronは、2012年にインターンとしてGogolookに入社。彼が当時入社面接の際に最も印象的だったのは、製品も規模も小さい会社がすでに海外進出の明確な展望を持っていたことでした。

「数年後、会社が描いた発展計画を見てさらに驚くことになりました。ここはアプリを開発運営するだけの会社じゃない。世界を変えることのできる会社なんだ!と。」

Gogolookとその創業者たちは、誰もがお互いを信頼できる環境を作ることで、世界をより良い場所にしようと本気で考えていました。

信頼をテーマにした革新的なアプリケーションを発表しただけではありません。Whoscallのサービスを世界30ヶ国に展開させ、コミュニケーションにおける安全性を提供。さらに、不正融資を防止する金融サービスプラットフォーム「ROO(ルー)」や、詐欺メッセージを識別することができるLINEのチャットボットを提供し、詐欺や不正防止のためのプラットフォームをさまざまな角度から構築しています。

ユーザーに対して、対外的に信頼を提供するだけでなく、対社内においても オープン、透明性、直接的表現を心がける という社風を大事にしています。信頼とは組織の内側から築かれるものである、ということを身を持って証明しているのです。


テレビ出演とユーザー調査のためブラジルに赴く


日本のテレビ番組にも出演

創業時のメンバーの一人で、現在製品部門責任者を務めるSoldierは、大学院生の時にCEOのJeffに引き抜かれ、一緒に事業を始めることになりました。彼は同社のコミュニケーションについてこう語ります。

” Gogolookのオープンなコミュニケーション文化は10年経っても変わっていません。
ここでは、全てのスタッフが理性的に仕事し、話し合うことができます。そして目標に対して柔軟に方法を考えることを大切にしています。スタッフの意見の多様性を奨励していますし、これは社風としては非常に珍しいことだと思います ”

その言葉どおり、スタッフたちはスタートアップらしい自由な社風の中で、自らの影響力を発揮し、製品の方向性の決定に参画し、理想の会社を目指して共に発展してきました。


初めての受賞の際、メディアによる取材を受ける


初めてのBest for App Chinese受賞


”信頼” とともに歩み続けた10年


今Gogolook社で働くメンバーたちは、そもそもなぜGogolookに入社しようと思ったのでしょうか。多くの人の答えは「仕事をするだけなく、社会の役に立つことができるのは素晴らしいことだから」という、とてもシンプルな理由でした。

”誠実さと正しさを追い求める姿勢が、スタッフ一人ひとりに染み付いている”

近年は新型コロナウイルスの流行が拡大し、それに便乗した詐欺が急増しました。そうした状況の中で Gogolookers は過去の英知を結集させ、ユーザーや社会に貢献できるよう努めてきました。

”私たちは、私たちの生み出す製品によって世界をより良い場所にするために存在しています”

Kaiは、これまでの歩みを振り返って断言します。

2020年3月、Gogolook社は台湾政府の防疫対策班に加わり、唐鳳(オードリー・タン)大臣と共に、政府が開発したマスクの購入予約システムを詐欺グループが悪用することを未然に防ぎ、それによって人々を詐欺被害から守ることができました。メンバー一同、非常に光栄に感じているできごとです。

”Gogolookは社会においてイノベーションの原動力となっています。心から感謝します。” - 唐鳳(オードリー・タン)氏

詐欺被害の防止というのはまさに終わりのない戦いですが、心から信頼できるスタッフたちと肩を並べて共に取り組めば、どんなに大変に思えるミッションも必ずや完成させることができると私たち Gogolookers は確信しています。



中国語の社名を 『走著瞧(いまに見ていろの意)』に

10年前、Gogolook社 にはまだ中国語の社名がありませんでした(※台湾では必ず会社に中国名をつけるルールがあります)。

ある日、創業者の3人が会議後に道を歩いていたとき、Jackie がふと「昨日、『走著瞧』の名前で新規上場する夢を見たんだ」と話し、Gogolookの中国語での社名が決定しました。走著瞧、というのは「いまに見ていろ」という意味です。

発信者情報識別サービスを提供する小さな開発チームは、こうして知らない番号からの電話に出る際の世界中の人々の習慣に変化を与え、優良アプリとして大きく評価され、国際的な企業から出資が集まるまでに成長しました。

今では、各国政府と共に詐欺被害から人々を守り、人と人との信頼のネットワークを確立する手助けをするリーディングカンパニーとなっています。

”台湾のために、世界のために、善良で豊かな会社を作ろう ”

Gogolook の幹部役員たちは、Gogolookers がこれからも信頼をテーマとするさまざまな使命を果たし、共にユーザーにとって価値のあるサービスを模索し続け、初心を忘れることなく次の10年に向かって邁進できるよう、心から願っています。


【10周年記念ブログ】最後に… 創業時からのメンバーに聞いてみた!

Q. Gogolookでどんなことに一番やりがいを感じますか?

  • Sam:Gogolookは信頼で成り立っている会社です。私は不正融資詐欺を防ぐために開発された金融サービス「ROO」に携わっていますが、ユーザーから「ROO を通じて、困難な状況を乗り切ることができた」「詐欺を回避できた」などと感謝されるたびに、とても感動し、同時にやりがいを感じます。

    製品開発において良い結果を出したり、ビジネス上の目標を達成したりするだけではなく、地域社会にも貢献できているのだと実感しています。

  • Kai:私はかつて「Whoscall Answer」というアプリの開発に携わっていました。Jeffと一緒に会議室にこもり、1ヶ月もの間、Gogolookの未来を模索していたことがあります。デザイン思考から始まり、データから幾多の可能性を探し出し、ユーザーにインタビューして問題点を見つけるなどしながら、ようやく製品を開発し、市場にテスト投入したのです。

    チームの1ヶ月間の成果をようやく社会に披露できたのは、この7年間で最もやりがいを感じた瞬間でした。


Q. Gogolookで直面した最大の挑戦は何でしたか?

  • Soldier:ブラジルの市場開拓は私にとって大きなチャレンジでしたね。製品開発だけでなく、組織の制約、ビジネスモデル、市場環境、コミュニケーション手法やユーザーの認知など、すべてが良好に揃わないと勝ち目はなく、新しい市場を開拓するのは容易なことではないのだと実感しました。

    このプロセスを経て、自分自身の改善すべき点がより明確になりましたし、まだまだ学び、進歩しなければいけないと感じています。


  • Sam:製品を作るということは大変ですが、ユーザーに気に入ってもらえる製品を作る、ということはさらに困難を伴います。これまでゼロからさまざまな製品を手がけてきましたが、少なくとも5つは失敗に終わりました。

    スタートアップの世界では「失敗」はつきものですが、挫折が続くと「この手の製品作りに向いていないのではないか」と自分の人生を疑ってしまいます(苦笑)。幸いなことに、私がいま担当している製品は、0から1への小さな成功が見えてきたところです。将来的には1から無限大へと成長できることを願っています。


Q. 誰も知らないGogolookの秘密を知っていますか?

  • Sam:昔、会社の規模が小さかった頃は、よく皆でカラオケに行っていましたね。ここだけの話ですが…、CEOのJeffの歌声は、呉宗賢(台湾のタレント)に似ていますよ!

  • Jeff:かつては、オフィスがある3階まで長い階段をのぼる必要がありました。オフィスにはインターフォンがなかったので、宅配便や郵便配達の人が1階の入り口から、「走著瞧、走著瞧!(いまに見ていろ!いまに見ていろ!)」と大声で僕らの社名を叫んでいたこともよくありました。

    知らない人が見たら、ちょっと物騒に見えていたかもしれませんね(笑)。


配達員が「走著瞧!(いまに見ていろ!)」と社名を叫んでいた階段

Q. Gogolookのどんなところが好きですか?

  • Aaron:あらゆる否定的な意見や建設的な意見に対して、常にオープンなコミュニケーション環境があることですね。それが実現できるのは、トップの幹部メンバーが自ら進んでスタッフの声や提案に耳を傾け、常にアイデアを磨く対話が生まれるように努力しているからだと思います。

  • Kai:会社の一番の特徴は、人と人との距離がとても近いことですね。
    同僚は友人、あるいは家族のように互いに支え合い、共に成長し、生活のさまざまなできごとを共有し、仕事以外でもさまざまな活動が行われています。
    すでに離職している多くの Gogolook 卒業生たちが、他社に転職しても Gogolook で過ごした時間を懐かしんでいますよ。



以上、Whoscall 10周年記念ブログはいかがでしたか?

最後になりましたが、ユーザーの皆さま、日頃よりWhoscallをご利用いただき、誠にありがとうございます。皆さまの信頼があるからこそ、私たちは進化を続け、皆さまのコミュニケーションライフをさらに強力に保護することができるのです。

これからもwhoscallは、世界中の人々に愛されるサービスを目指して初心を忘れず進化してまいります! 今後のサービスや会社の成長も、どうぞご期待ください!